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たいへんだ! 大統領が隣の世界からたくさんルイズを連れてきちゃったぞ! ヒロインがいなくちゃ話は続けられない! 彼女たちの話を聞いて元の世界へ帰してあげよう! (問題)次のルイズはどこの作品のルイズか答えなさい。 ルイズA「私の悩み? そうね、こうしていると時々、ひどく寂しくなるの。前はもう少し賑やかだったもの。 でもデルフもワルドもマチルダもいるから孤独とは思わないけれどね」 ルイズB「ねえ聞いて! 才人ともっと一緒にいたいのに、ううん、もっと身体も心も一緒になりたいのに、 ギーシュもエレオノールお姉さまも邪魔するの! 愛してる、私が欲しいって才人も言ってるのに!」 ルイズC「べ、別に大した事じゃないんだけど、最近、なんだかあいつタバサと仲良くしてるみたいなの。 惚れ薬のせいだけじゃなくて、それにタバサの方も少し変わったような気がするわ。 タバサの他にキュルケとも会社を興したり、シエスタとも楽しげに話しているし……ああ、思い出したら腹が立ってきた! 忘れないでよね! わたしがご主人様なんだからね! ないがしろにしたら許さないわよ!」 ルイズD「ちいねえさまも(弾け過ぎな気はするけれど)元気になったから悩みなんてないわ。 ただキュルケの様子がおかしいのよ、ブツブツと体液だの触手だの呟いて変な目で見てくるし」 ルイズE「……色々あるわね。たとえば使い魔が私よりデルフと親しそうだったり、 元婚約者が変な性癖の持ち主でソムリエ呼ばわりされたり、ギーシュは……もういいわ、諦めたから」 正解はWEBで! (正解) ルイズA:『仮面のルイズ』(第一部より石仮面) ルイズB:『ギーシュの奇妙な決闘』(第七部SBRよりリンゴォその他) ルイズC:『ゼロと奇妙な鉄の使い魔』(第五部よりリゾット) ルイズD:『ゼロの来訪者』(バオー来訪者より橋沢育郎) ルイズE:『アヌビス神・妖刀流舞』(第三部よりアヌビス神)
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小ネタ 朝、ルイズがいつも通りの時刻に起床すると、彼女の使い魔達はすでにいなくなっていた。 起きて食堂に向かったようだ。 ルイズも着替えを終えるとすぐに食堂へ向かう。 その途中、とてもいい匂いがしていたので厨房を覗いてみる。 「シエスタ、アンタなかなか上手いやないか」 「昔、ひいおじいちゃんに教えてもらったのですよ」 「あとはこれを蒸せばいいのか?」 「そうアルね」 厨房ではシエスタやマルトー達が巨大な返しを持った女性とチャイナ服の女性とお好み焼きや中華料理を作っていた。 ルイズは今日の食事も期待できるとわかると自分の席へ向かった。 席へ座ると、遠くでギーシュが決闘を申し込んでいるのが見えた。 「君達に貴族に対しての礼儀を教えてあげよう」 「てめえ!よくも俺を女と間違えやがったな!覚悟しやがれ!」 「俺を男なんかと間違えやがって!俺は女だ!」 「美しき女性達の心を傷つけるとは許せん!たたっ斬ってやる!」 「二股をするとはけしからん!この風林館高校の蒼い雷が成敗してやる!」 「かごめに手を出しやがって!ぶっ殺してやる!」 「He Boy!その髪の色は校則違反デース!丸坊主にしなサーイ!」 赤いチャイナ服の青年と、背中に男と書かれた男子学生服を着た男装の女性と、刀を持った白い学ランの青年と、木刀を持った青い和風の青年と、巨大な刀を持った犬耳の火鼠の皮衣を着た青年と、頭に椰子の木を生やしたアフロ服の男性がギーシュを睨みつけながら騒いでいる。 「ほらかごめ、アンタの彼氏とその仲間達がまた暴れてるわよ」 「茜、何回も言ってるけどあいつは彼氏じゃないし、あいつらも仲間じゃないわよ」 「そうそう、姉ちゃんの彼氏は僕やで」 ルイズの隣で、水兵服を着た女性二人と鬼族の子供がその様子を眺めていた。 「えー、ヴァリエール嬢美女使い魔達の写真集はいかがですかー?」 「ミス・ナビキ、一冊購入させてくれ」 「あらギトー先生、いつもご購入ありがとうございます」 「お、大きい声で言うのではない!」 食堂の隅ではギトー先生が召喚された女性達の写真集を購入している。 「王手」 「ま、待ってくださいミスタ・テンドウ!」 「パフォ」 「このパンダの言う通り待ったはなしだよ」 別の机で将棋をしていたコルベール先生に、パンダが「待ったなし」と書かれた看板を向ける。 その様子をとあるアパートに暮らしていた住人が観戦している。 「……あったかい」 「ゴロゴロゴロ」 「お茶が入りましたよ」 「ありがとうございます。ミス・カスミ」 「いえいえ」 別の一角ではエプロン姿の女性がタバサと巨大な猫が暖まっているコタツにお茶を持って来ていた。 「いくぜキュルケ!」 「来なさい!」 「きゅいきゅいきゅーい!」 外ではキュルケがシルフィードを借りて最小限の部分しか守れそうにない鎧を着た女性と大豆を発射する銃で戦っている。 「ルイズ、ダーリン見なかったちゃか?」 そんな周りの様子を眺めていると、鬼族の女性がルイズに質問を投げ掛けてきた。 「ダーリン?あいつなら洗濯所にいたわよ」 それを聞くと鬼族の女性は虎柄のブラから何かの機械を取り出し、スイッチを押す。 機械の画面に異常に小さい爺さんとオスマン氏と法師姿の青年と特に特徴のない青年が映しだされた。 『よいか三人とも。この修業はいかに素早く、発見されずにパンティを盗れるかがポイントじゃ!』 『『『はいお師匠様!』』』 鬼族の女性はすぐに空を飛んで洗濯所へ向かった。 数分後にはライトニングクラウド以上の電撃音と悲鳴が聞こえてくるだろう。 そんな使い魔達の様子を眺めつつ、ルイズは一言呟いた。 「ダメだこりゃ」 「これがお主のさだめじゃ」 「こら叔父上、出番がないからって最後に出てくるのではない」
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諸星大二郎『太公望伝』から、竜と『誰か』 ルイズ伝-第一章
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目次 【時事】ニュースソアラ ダイ RSSソアラ ダイ 口コミソアラ ダイ 【参考】関連項目 タグ 最終更新日時 【時事】 ニュース ソアラ ダイ 1/43サイズの高精度スケールモデルで揃える傑作国産車のコレクション 『国産名車プレミアムコレクション』2021年12月8日(水)創刊! - PR TIMES ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第60話「ダイとポップ」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第58話「意外な救世主」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp クルマ好きが観た『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』 真のボンドカーはどれか?(ENGINE WEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ダイの大冒険』第52話、ダイが反抗期のよう?前野智昭&小松未可子にもツッコミ!「夫婦はお前らだろw」「ややこしい」 (2021年10月15日) - エキサイトニュース トヨタとスバルのスポーツカー「GR86/BRZ」はクーペ再興の救世主?(マイナビニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第52話「父子竜出陣」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第44話「氷河に消えた勇者」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第43話「最強剣激突」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第38話「世界会議(サミット)」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 「冒険の軌跡、これからの旅路」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第37話「一瞬にすべてを」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp アニメ『ドラゴンクエストダイの大冒険』あらすじ - ORICON NEWS アニメ『ダイの大冒険』28話“次回予告”でネタバレ!? 不遇なボラホーンに同情... - まいじつ AOSHIMA、2.5GTツインターボL/4.0GTリミテッド選択式の「JZZ30 ソアラ」模型 - 価格.com 希少なエキゾティック・クーペ──新型レクサスLC500試乗記 - GQ JAPAN TVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』追加声優に小原好美さん・塩田朋子さん・石田彰さん・杉村憲司さん・木村昴さん決定! 5人意気込みコメントも到着 - アニメイトタイムズ 【1月のトミカ】トヨタ「ソアラ」がトミカプレミアムに登場 - 価格.com RSS ソアラ ダイ 1/43サイズの高精度スケールモデルで揃える傑作国産車のコレクション 『国産名車プレミアムコレクション』2021年12月8日(水)創刊! - PR TIMES ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第60話「ダイとポップ」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第58話「意外な救世主」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp クルマ好きが観た『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』 真のボンドカーはどれか?(ENGINE WEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ダイの大冒険』第52話、ダイが反抗期のよう?前野智昭&小松未可子にもツッコミ!「夫婦はお前らだろw」「ややこしい」 (2021年10月15日) - エキサイトニュース トヨタとスバルのスポーツカー「GR86/BRZ」はクーペ再興の救世主?(マイナビニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第52話「父子竜出陣」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第44話「氷河に消えた勇者」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第43話「最強剣激突」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第38話「世界会議(サミット)」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 「冒険の軌跡、これからの旅路」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第37話「一瞬にすべてを」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp アニメ『ドラゴンクエストダイの大冒険』あらすじ - ORICON NEWS アニメ『ダイの大冒険』28話“次回予告”でネタバレ!? 不遇なボラホーンに同情... - まいじつ AOSHIMA、2.5GTツインターボL/4.0GTリミテッド選択式の「JZZ30 ソアラ」模型 - 価格.com 希少なエキゾティック・クーペ──新型レクサスLC500試乗記 - GQ JAPAN TVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』追加声優に小原好美さん・塩田朋子さん・石田彰さん・杉村憲司さん・木村昴さん決定! 5人意気込みコメントも到着 - アニメイトタイムズ 【1月のトミカ】トヨタ「ソアラ」がトミカプレミアムに登場 - 価格.com 口コミ ソアラ ダイ #bf 【参考】 関連項目 項目名 関連度 備考 参考/DRAGON QUEST -ダイの大冒険- ★★★★ 登場作品 参考/山崎和佳奈 ★★★ キャスト タグ キャラクター 最終更新日時 2013-02-28 冒頭へ
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ドン、と体に衝撃が走り、次の瞬間には礼拝堂の壁に背中を激突させていた。 続いて響いてくる音、エア・ハンマーが床や壁をたたきつける音だろうか。 混濁した意識の中、ルイズは状況を把握しようと必死に視聴覚を働かせようとする。 しかし、強く背中を打ち付けたせいか、呼吸が極端に乱れ、体を動かすことが出来ない、その上ワルドの杖が左肩をえぐり、その痛みがなお呼吸を邪魔していた。 『…ズ ……ルイズ 起きろ』 頭の中に響く声は、夢の中で会った、空条承太郎の声。 その声にハッとしたルイズは、体を丸めて力を入れて、痙攣を押さえ込んだ。 「ワルド…なんで、なんでワルドが裏切るのよっ…」 と、一瞬だけ考えてから、ルイズはかろうじて顔を上げた。 礼拝堂を所狭しと飛び回るワルド達、遍在の魔法で合計七体に分身したワルドは、じわりじわりとウェールズを追いつめていった。 ウェールズもトライアングルとはいえ、かなり優秀なメイジなのか、スクエアであるワルドの攻撃をかろうじて防いでいる。 しかし服はボロボロ、頬や腕からは血を流している、このままでは時間の問題だと、素人でも理解できるだろう。 「ぐっ…杖、杖は…」 視線をワルドに向けたまま、手探りで腰に差した杖を引き抜き、ファイヤーボールの詠唱を始める。 「…ファイヤーボール!」 バァン!と破裂音が鳴り、ウェールズを背後から攻撃しようとしていたワルドの体が弾け、霧のように霧散する。 やった! と喜ぶ間もなく、別のワルドが唱えたエアハンマーで、ルイズの体は再度宙を舞った。 ルイズは勢いよく始祖ブリミルの像に衝突し、ゴォンと重たい金属音を響かせた。 「か は 」 ドサッ、と冷たい床の上に落ちたルイズは、ブリミルの像と床に衝突したショックで、横隔膜を痙攣させて、体をビクンビクンと震わせた。 「ルイズ!邪魔をしなければ、楽に死なせてやろうと思ったのに、いけない娘だ!」 「貴様ァーーッ!」 勝ち誇ったように台詞を吐くワルド、それに怒りを顕わにし、立ち向かおうとするウェールズ。 しかし、ワルドの分身が一人減った程度では、ウェールズが圧倒的不利な状況に立たされている事に変化はなかった。 再度ルイズの頭に声が響く。 『ルイズ、体を貸せ、時間がない』 「ハァ…ッ、と、とっとと、意識を奪えば、いい、でしょ」 砕かれた肩が酷く痛み、呼吸も苦しい、いまにも気絶しそうだが、なぜか気絶できなかった。 『やれやれ…どうやら無理なようだ』 「なんでよっ」 『おまえは、『諦めていない』、だから意識を乗っ取れない』 「肝心なときに、痛っ…じゃあ、どうしろって言うのよ!」 『スタンドをおまえに預ける、俺は…』 『”痛み”を引き受ける』 その声と同時に痛みが薄れ、ルイズの体が軽くなる、ルイズはさっきまでのショック状態が嘘のように立ち上がることが出来た。 それを見たワルドの表情が変わる、そんなバカなとでも言いたいのだろうか、そんな表情だ。 頭の中で声がする。 『思ったより肩からの出血が多い』 「分かってるわよ」 苦悶に満ちていたルイズの表情に、笑顔が戻る。 『スタープラチナはおまえが思ってるほど忠実じゃない』 「分かってるわよ」 痛みなどものともしない、余裕すら感じさせるルイズの表情を見て、ワルドは攻撃対象をルイズに変更した。 「ルイズ!君の傍らに立つ”それ”が、それが君の使い魔か!土くれのフーケが言っていたが、まさかそんな”使い魔”を持っていたとは!ルイズ、やはり君は思った通り、素晴らしいメイジだ!」 そう言いながらも他のワルドが呪文を詠唱する、ワルドの戦い方のもっとも厄介な部分だ。 フライの魔法を使いながら攻撃魔法を使うのは不可能だと言われている、しかしワルドは三人以上に分身することで、浮遊と攻撃の魔法を交互に唱え、自由自在に魔法を駆使するのだ。 ワルドの台詞が終わったと同時に、右から別のワルドがライトニング・クラウドを放つ。 「おらぁーっ!」『オオオオオオラァァ!』 ルイズと同時にスタープラチナが雄叫びを上げ、始祖ブリミル像を破壊する。 その破片の中に隠れるようにして、ルイズは宙に浮き、ライトニング・クラウドの電撃は破片に吸収された。 「何ッ!?」 おそらく本体であろうワルドが驚きの声を上げる。 ルイズは破片の合間を縫って、天井近まで勢いよく飛び上がった。 しかしそこには、別のワルドが接近し、呪文の詠唱を完成させようとしていた。 ワルドが杖を向け、魔法を放つより一瞬早く、ルイズは天井に意識『破壊』のイメージを向けた。 「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらァッ!」 『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!』 スタープラチナの放つ拳が、轟音と共に固定化のかけられた天井を破壊する。 その破片をワルドに向かって跳ね返す、するとワルドはその破片を避けた。 ルイズは考えた、緊急回避が可能ならば、フライでもレビテーションでもない、おそらく風の魔法で飛んでいる。 スタープラチナの目が素早く下を見ると、ワルドの攻撃を必死に避けるウェールズと、こちらぬ杖を向けているワルドが一人見えた。 「スタープラチナ!」 ルイズの叫びと同時に、スタープラチナはルイズの手からブリミルの像の破片を奪う。 そしてスターフィンガーと同じように力を集中させた指先が、目の前のワルドを宙に浮かせているであろう、もう一人のワルドに向けて、その破片をはじき飛ばした。 「ぐあっ!?」 宙に向けて杖を向けていたワルドが声を上げる、破片が左目から頭を貫通し、ワルドは煙のように消えた。 目の前のワルドもあわててフライの呪文を詠唱しようとするが、それよりも早く落下途中の破片をワルドに向けて殴り飛ばした。 「ぐおっ!?」 蛙のつぶれるような声と共に、そのワルドも顔面を削られ、煙となってかき消えた。 (あと四人!) スタープラチナを使って着地の衝撃を和らげると、ウエールズを取り囲んでいた四人のワルドのうち三人が、ルイズから離れるようにして跳躍する。 そしてウェールズと戦っていたワルドが、他の三人とは別方向に跳躍する。 ルイズはその隙にウェールズの側に駆け寄った、ウェールズは全身傷だらけに見えたが、それほど深い傷は受けてはいないようだ。 「殿下!」 「ミス・ヴァリエール、このような目に遭わせてしまって、申し訳がない」 「覚悟の上です!それより、何とかここを脱出しましょう」 「…私が活路を開く、君はその隙に逃げなさい!」 そう言うとウェールズは魔法を詠唱し、竜巻を作り出した。 竜巻はウェールズとルイズを囲み、礼拝堂の中を埋め尽くそうと勢いを増していく。 少しだけでもワルドの足止めが出来ればいい、そう考えての行動だった。 しかしルイズは、ワルドの一人が笑みを浮かべたのに気づいた。 …まずい! そう思った次の瞬間、二人を囲む竜巻から、光り輝く刃のようなものが飛び混む。 刃はウェールズを狙って飛び込んできたが、その直前スタープラチナが刃を弾いた。 「ッ…!」 ルイズの手に痛みが走る、痛みは一瞬だったが、手の甲がパックリと裂けていた。 承太郎が痛みを引き受けてくれてはいるが、ダメージを増やすのは得策ではない。 そんなことを考えている間にも、輝く刃がは竜巻の中で数を増していく、青白い光はルイズとウェールズの血を吸おうと、不気味に輝いていた。 「殿下!風で吹き飛ばしてください!」 「く…、む、無理だ…耐えるのが、精一杯…!」 ウェールズは杖を構えたまま脂汗を流しながら返事をした、すると、それを見たワルド達が高笑いをして、言った。 「「「「ハハハハハハハハハ!」」」」 「ウェールズ皇太子殿下、君はスクエアのメイジを甘く見たな」 「この青白いはエア・ニードル、真空の渦に触れれば肉は裂け骨は砕ける!」 「さきほど、そこを歩いていたメイドからナイフとフォークを借りてね、エアニードルの核にしたのだよ」 「分身を作り出した後でも、この程度の竜巻を飲み込むのはたやすい!」 そう言ってワルドの一人が杖を振る、すると、ウェールズの顔がより厳しいものに変わる。 一人は竜巻を作り出し、ウェールズの竜巻を取り囲み、押しつぶそうとしている。 一人はエア・ニードルの魔法を食器のナイフにかけている。 一人はエア・ニードルを風の魔法で操り、竜巻の中にいる私達に狙いを定めている。 一人は…何かの袋を取り出した。 「火の秘薬だ!」 ウェールズが叫ぶ、そして、同時にワルドの竜巻がウエールズの竜巻を押しつぶし、竜巻は大人二人入るのがやっとの大きさにまで縮められてしまった。 ルイズと、ウェールズの身体をエア・ニードルが切り裂いていく、スタープラチナでナイフを弾き、致命傷を裂けてはいるものの、ルイズの手は切り傷だらけで、何カ所かは骨にまで達している。 袋を開けたワルドが、竜巻に袋を向けて、言った。 「ルイズ、君には驚いたよ、スクエアのメイジを一時的にとはいえ手こずらせたのだからね、だが…ここでお別れだ。だめ押しに火の秘薬を受けたまえ」 そう言ってワルドが竜巻に火の秘薬を流す。 「スタープラチナ!」 「もう遅い!脱出不可能よ!」 そしてワルドは杖を振って、火の秘薬に着火した。 ドォォン…と、城が響く。 火の秘薬は竜巻により、爆発に近い強烈な燃焼を起こし、超高温の竜巻がルイズとウェールズを包んだ。 竜巻が消えた後には、焼けこげた地面しか残っておらず、二人が死んだのは誰の目にも明らかだ多。 ワルドは、自分を追いつめた婚約者に敬意を払うため、地面に転がっているルイズの杖を拾おうとした。 「うあああああああああああああああああああああア!」 『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーーーッ!!!!』 「ぐがっ!?」 上空から突如現れたルイズに驚いたワルドは、とっさにエア・ハンマーを自分に当てて逃げたが、スタープラチナの拳を胸と腕に食らい、バランスを崩して着地に失敗した。 ルイズは肩に乗せたウェールズを床に降ろしてから、ワルドに近づいた。 「な、なぜだっ!ど、どうやって逃げた!」 「…殴っても消えないって事は、貴方が本体のようね、ワルド」 ルイズの表情が、いつものものでははない、これからワルドを殺そうとしている、それだけの覚悟が感じられた。 ワルドはテレパシーのようなもので他の三人のワルドに意志を伝える、ルイズを殺せと。 分身が杖を振り、魔法を放とうとしたその時、突如分身達の目の前にナイフが現れた。 「「「!?」」」 どすっ、と、訳も分からぬうちに分身達は頭にナイフを生やして、霧散した。 「な…な…」 ワルドは、ただ呻くしかできなかった。 何が起こった? 今、何が起こったのだ? わからない、だが、一つだけ理解できることがある。 ルイズは自分を殺そうとしている。 思い沈黙が流れた。 ドォォォンと、外から爆音が響く。 反乱軍達の侵攻が、とうとう城内に及んだのだろう。 ワルドの頭に、「もう少し時間を稼げば助かるかもしれない」という考えが浮かんだ。 それが命取りだった。 目の前のことに集中していればいいものの、彼は雑念で気を散らせてしまったのだ。 助かるかも知れない、と考えるワルドの腹に、スタープラチナのつま先がめり込んでいた。 「……!」 声にならないワルドに、再度スタープラチナで殴りかかろうとしたその時、偶然、天井が崩れた。 それに気づいたルイズは慌ててウェールズの側に飛んだ。 「スタープラチナ!」 『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーッ!』 落ちてくる天井の破片をスタープラチナで破壊し、ウェールズの安全を確保した時、礼拝堂の入り口から転がるようにして逃げるワルドの後ろ姿を見た。 「ワルド…さよなら」 もう追いかける力も残っていない。 痛みこそないものの、出血が多く、足に力が入らない。 ワルドを追う余力も、攻め込んで来るであろう反乱軍に立ち向かう力も残っていなかった。 とにかく、ウェールズ殿下を逃がさなければいけないのだと、自分に言い聞かせたが、身体が動かない。 トリスティンの政治的には、ウェールズ殿下が生きていてはまずい、それぐらいは理解しているつもりだ。 しかし、アンリエッタはウェールズを愛しているし、ウェールズもアンリエッタを愛している。 ウェールズを助けたい! 例えその結果ゲルマニアとの同盟が反故になっても、アンリエッタを苦しめることになったとしても、この恋だけは成就させなくてはならない。 そんな使命感がルイズを突き動かした。 ウェールズを担ぎ上げようとしたが、うまくいかない。 力が入らない。 駄目なのか、私はここで死ぬのだろうか。 「アン、ごめんね…」 そう呟いて、ルイズは意識を失う。 意識を手放す瞬間、なぜか、身体が浮いたような気がした。 そして場面はキュルケ達に移る。 「もう始まってるわよ!」 シルフィードの上でキュルケが叫ぶ。 目の前に広がるアルビオンの浮遊大陸からは、大砲の音、すなわち戦乱の音が響いていた。 「これでは、ミス・ヴァリエール達を捜すどころじゃないぞ!」 「ギーシュ、あんた昨日は『例え戦地でも姫様のためなら喜んで!』とか言ってたじゃない!」 「そっ、そりゃそうだけど」 シルフィードの上で口論している二人はさておき、タバサはシルフィードの話を聞いていた。 『きゅいきゅい』『ふもー』 シルフィードが話しているのは、ギーシュの使い魔ヴェルダンデ、その得意の鼻がルイズのつけていた宝石のにおいを覚えているというのだ。 タバサキュルケとギーシュに「しっかり掴まってて」とだけ告げて、シルフィードを雲の中に突っ込ませた。 「…あれは何?」 暗雲の中をしばらく進むと、小舟が見えた。 空に浮かぶ船にしては小さすぎる船だ、大人四人が乗れる程度の大きさだろうか。 『きゅいきゅい!』 シルフィードが、ルイズのにおいがすると告げる。 タバサは迷わずその小舟にシルフィードを近づけた。 「ルイズ!」「ヴァリエール!」 突然近くから聞こえてきた声に、小舟に乗った女性…ニューカッスルの秘密港でルイズを迎えたメイドの女性は、驚いて声を上げた。 「あ、あなた方は!?」 「それはこっちの台詞よ、何よ…ルイズ、ひどい傷じゃない」 キュルケが血相を変える、ルイズの身体には包帯が巻かれていたが、出血を抑えきれてはいないと分かったのだ。 「そ、そちらに倒れてるのは…まさか」 ギーシュの疑問に、メイドが答える。 「アルビオンのウェールズ・テューダー殿下…いえ、先皇が討ち死にされた今、ウエールズ・テューダー陛下にございます」 「僕たちはトリスティン魔法学院で、そこに倒れているヴァリエールの友達だ」 「まあ!そうでございましたか、どうかお願いがございます、お二人を連れてすぐにここを離れてください」 キュルケは船に乗り移ると、ルイズを抱き上げた。 ギーシュもまたウェールズをシルフィードに乗せる。 「あなたは?」 タバサがメイドに聞くと、メイドはにっこりと笑って言った。 「私には最後の役目がございます、どうか、できるだけ遠くに離れてください」 タバサはメイドの言わんとしていることを察し、無言でうなずいた。 「あ、それと…、トリスティンのお方ならモット伯にお会いすることもありますでしょう、もしモット伯と、衛士の方にお会いすることがあれば、一人の生徒が勇敢に死んでいったとお伝えください!」 「わかった」 タバサが答えると、そのメイドは小舟の中央に設置された風石の箱を操作し、ニューカッスルの秘密港に向けてゆっくりと移動していった。 それを見送る間もなく、タバサはシルフィードに急いでここを離れろと伝える。 「おい!彼女も連れて行かないのかい!」 風を受けて喋りにくそうにしながらも、タバサに詰め寄ろうとするギーシュだったが、キュルケがそれを制止した。 「ツェルプストー、何をするんだ」 「あんたねえ、野暮って事を知らないの? …あのメイド、メイドのくせに、いっぱしの貴族みたいな目をしてるじゃない」 ギーシュはその言葉の意味が分からなかったが、次の瞬間、あの小舟が飛び去った方から輝く爆炎を見て、その意味を察した。 ごうごうと音が響き、雲が爆風に巻き込まれて散っていく、そして爆炎に巻き込まれた戦艦が看板を火の海にしていた。 ドオン!と、数秒遅れて到達した爆音。 それを見たギーシュは、メイドの言った「最後の役目」の意味が分かった。 アルビオンの下部に設置されていた火の秘薬を、あのメイドが点火したのだろう。 あの規模では、生存は絶望的だと、皆が感じていた。 ルイズは意識を失っていたが、スタープラチナの目が、爆炎を見ていた。 『あのメイドは昨日、ウェールズに詰め寄り、生きて欲しいと懇願していた奴だな』 「死ぬつもりだったのよ、あのメイド…死ぬのは怖いとか言っておきながら、笑顔で死にに行ったじゃない、ホント生意気なメイドね」 『本当に…生意気だと、思っているか?』 「生意気よ。だって………私より、貴族らしいじゃない」 シルフィードがアルビオンの下から抜け出し、太陽の下に出る。 ルイズと承太郎は、スタープラチナの目を通して、アルビオンを包み込む雲を見た。 目の錯覚かも知れないが、雲の一部が、まるで手を伸ばすように伸びた。 その雲はモット伯の別荘で戦ったメイジによく似ている。 手を差し出された雲は、先ほど笑顔で死地に向かったメイドによく似ていた。 二つの雲は、抱き合って、消えた。 前へ 目次 次へ
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三条陸をお気に入りに追加 三条陸のリンク #blogsearch2 Amazon.co.jp ウィジェット 三条陸のキャッシュ 使い方 サイト名 URL 三条陸の報道 スクエニ、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-』でキャラ獲得イベント「自分の力を活かす装備」を開催 ベンガーナ王国衣装の「ダイ」を仲間に | gamebiz - SocialGameInfo <ドラゴンクエスト ダイの大冒険>ゲーム「クロスブレイド」“真2弾”に転職システム 大魔王バーンが初カード化 「ドラゴンクエストIV」キャラも(MANTANWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ダイの大冒険』第60話、心に傷を負ったダイが向かった先!(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ダイの大冒険」ファンブック、作者陣のインタビューに種崎敦美と豊永利行の対談も(コミックナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース Vジャンプ運営のWebメディアによる30秒クイズ番組、第1弾はダイの大冒険とコラボ(コミックナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ダイの大冒険」カール王国の女王・フローラに高橋李依「美しく頼もしいお方です」(コミックナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「大人の事情」で急に終わった平成アニメ3選 唐突すぎる最終回の理由(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース アプリ『ダイの大冒険』リアルオークションのドラゴンキラー落札価格はなんと310万円! - 電撃オンライン 『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-』驚愕の落札が連発した“リアルドラゴンキラーオークション”リポート。伝説の武器はいったい誰の手に!?【最高落札額は310万円!!】(ファミ通.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ゲーム未プレイでも楽しめる】ドラクエ漫画人気ランキング 1位はやっぱりあの作品:時事ドットコム - 時事通信 「ダイの大冒険」ハドラー親衛騎団のシルバー製チェスセット、330万円で販売 - コミックナタリー 岡田准一主演映画も話題「ザ・ファブル」第二部第一巻が発売&好評[コミックスベストセラー](Book Bang) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第58話「意外な救世主」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp アスキーゲーム アプリ『ダイの大冒険』で新イベント「魔法使いの少年の修業」を開催! - ASCII.jp アスキーゲーム 『ドラクエタクト』にて本日より「ダイの大冒険」コラボイベントが開催!いまなら毎日「ジェム1000個」プレゼント - ASCII.jp 『ダイの大冒険』黒の核晶が大爆発!ポップやマァム、ダイの元へ急行…そこで見た光景に驚き【第56話】 - ORICON NEWS 「ダイの大冒険」アバンのしるし、竜の紋章などキーアイテムがコラボジュエリーに(コミックナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 生誕50周年「仮面ライダー」は新しいステップに進む時期 白倉Pがシリーズの未来語る:第34回東京国際映画祭(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 生誕50周年!平成ライダーシリーズを支えた関係者たちが語る、仮面ライダーの未来(映画.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 関係者が語る『仮面ライダー』の未来。「フォーマット化している“仮面ライダー”を考え直す時が来ている」と東映・白倉伸一郎(MOVIE WALKER PRESS) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ダイの大冒険」のTシャツやラージトートなど各種アパレルグッズが登場。予約受付を開始 - 4Gamer.net アニメ「風都探偵」翔太郎とフィリップ描いたティザービジュアル公開(コミックナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ゲゲゲ忌2021」 アニメ特別上映会最新情報!■登壇追加ゲスト&上映作品発表!■本日よりチケット抽選先行販売第2弾とオンラインチケット販売開始!■シアタス調布のリアル会場への入場者プレゼントも発表! - PR TIMES <ドラゴンクエスト ダイの大冒険>ゲーム「クロスブレイド」“真”シリーズ始動 新モード サマルトリアの王子、ムーンブルクの王女も(MANTANWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ヒュンケル戦の次はフレイザード。竜の軌跡5章“卑劣なる氷炎将軍”実装日は?【ダイの大冒険 魂の絆】 - 電撃オンライン 向井太一、TVアニメ ドラゴンクエスト ダイの大冒険 OP主題歌「Bravest」10/13配信リリース決定 - Skream! 「風都探偵」監督の椛島洋介らメインスタッフ発表 イメージボード2点追加公開(映画.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ダイの大冒険』2年目ビジュアル、新OP、新ED情報公開!(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ダイの大冒険』第50話、チウたち獣王遊撃隊に危険が迫る!(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ドラゴンクエスト ダイの大冒険:ハンブレッダーズがテレビアニメ新ED 「何度も読み返しながら作曲」 - MANTANWEB 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」アニメ声優・キャラクターまとめ | アニメ! - アニメ!アニメ!Anime Anime 『ダイの大冒険』330万円の“ハドラー親衛騎団チェス”登場!「これを買う事?... - まいじつ 「ダイの大冒険」10月に放送2年目突入、大魔王バーンとダイが対峙する新ビジュアル(コミックナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース <ドラゴンクエスト ダイの大冒険>スマホゲーム「魂の絆」9月28日スタート PVで“奥義”公開(MANTANWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース アニメ『風都探偵』イメージボード&監督・スタッフ情報解禁 脚本を務める三条陸とプロデューサー塚田英明の対談映像も公開 - http //spice.eplus.jp/ アニメ『ダイの大冒険』1周年記念配信の詳細な内容が公開 - 電撃オンライン 2021年8月30日:本日発売のコミック新刊 - ほんのひきだし アニメ化も決定「風都探偵」11巻、スーツアクター・高岩成二のインタビューも収録 - コミックナタリー アニメ放送中『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』主人公・ダイの師匠・アバンの若き日を描く『勇者アバンと獄炎の魔王』が熱い![TSUTAYA News] - T-SITEニュース 「ダイの大冒険」放送1周年記念 約6時間の配信イベントが9月12日開催 - 映画.com 『パズドラ』と『ダイの大冒険』初コラボ! 登場キャラをチェック - アニメージュプラス 『ダイの大冒険』1周年記念ダイ!感謝祭9月12日に開催!(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ダイの大冒険|受注予約生産のプレミアムBOX『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 竜の紋章BOX』12月24日発売 - TOWER RECORDS ONLINE - TOWER RECORDS ONLINE 『Dr.マシリトの最強漫画術』8.4連載開始 伝説の編集・鳥嶋和彦氏が漫画を指南(クランクイン!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース アニメ「風都探偵」制作はスタジオKAI、左翔太郎が風都の街を見下ろすイメージボードも - コミックナタリー 「仮面ライダーW」スーツアクターの高岩成二がスピに登場、アニメ「風都探偵」続報も - コミックナタリー 『モンスト』×『ダイの大冒険』初コラボ! 7/15から - アニメージュプラス スマホ向け『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-』2021年秋にサービス開始。クローズドβテストにおけるユーザーの10点満点の評価や意見などレポートを公開(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ドラゴンクエスト ダイの大冒険:スマホゲーム「魂の絆」今秋スタート - MANTANWEB メディアが異なる正統続編も違和感なし! アニメ化も待ち遠しい『風都探偵』[TSUTAYA News] - T-SITEニュース 令和版マァムに賛否… アニメ『ダイの大冒険』の“原作改変”を振り返る! - まいじつ 『ダイの大冒険』第38話、レオナ姫はサミットを開催! 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戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (16)空中戦闘 月夜、明るすぎる月光の夜。 耳障りな音を撒き散らして正面から敵艦を貫いたウェザーライトⅡは、その勢いを衰えさせずに飛翔を続ける。 前方には二隻の敵戦艦、ウェザーライトⅡはその隙間となる空間を目指し一直線に奔る。 結果、輝ける槍となった船は、これを避けそこなった片方の敵艦側面を抉った。 船翼がちぎれ、船体からは破片が撒き散らされる。 大小様々な破片がウェザーライト号の甲板にも飛来するが、甲板を覆うように発生した白い膜が、これを弾いて乗員を守った。 すれ違いざまに穂先がかすった形となった戦艦に残された裂傷は、横数十メイルにも及んでおり、航行不能となるには十分なダメージであった。 そして、飛ぶことができなくなったフネに待つ運命はただ一つ。 最初の会敵で二隻の戦艦を沈める戦果を挙げたウェザーライトⅡは、敵艦隊の後方を抜け戦闘空域を離脱する。 「おお、ロングビル!君はミス・ロングビルではないかね!」 突撃の衝撃でフードが捲れ、月光により素顔が露になったフーケ。 彼女を見たオールド・オスマンが嬉しそうに声をあげる。 「や、ちょっと、離しなさいよ。離してってば、離せよこの色ボケジジイ!」 「ミスタ・コルベール!見たまえ、ロングビルじゃ。生ロングビルじゃよ!」 正体を知るや否やフーケに抱きつく老学院長オールド・オスマン。 一方で、オスマンが声をかけたこの船に乗るもう一人の教師、ミスタ・コルベールは震える手を隠そうともせずに戦慄いていた。 「まさか、これほどのものとは…」 遠く聞こえる爆発音。 先ほどウェザーライトⅡに飛行機能を破壊されたフネが、地上に激突した音である。 コルベールは思う、果たしてあの中には何人の人間が乗っていたのだろうと…これが戦場、再び舞い戻ってきてしまった戦場。 「ミスタ・コルベール!す、凄いです!あっと言う間に敵艦を二隻も落としてしまうなんて、感動しました!」 苦渋に沈み込みそうになるコルベールの心中を引き戻したのは愛すべき生徒の声であった。 気がつくと目の前には自分の教え子の一人、ギーシュ・ド・グラモンがいた。 「このフネが、王室から開発を依頼された秘密兵器という噂は本当だったんですね!」 表向き、ウェザーライトⅡの設計・開発はウルザの協力を得たコルベールが行ったことにされている。 そうして、学院の一部の人間以外には、フネの建造に関する一切の事柄は国家機密として秘匿されていたのだ。 この為、噂好きの少年少女、学院生徒の間で『ミスタ・コルベールが王宮からの依頼を受けて、対アルビオン戦争の秘密兵器を開発している』という噂が広まっていたのは当然のことであった。 頬を紅潮させ、自分の関わった作品に感動の意を示してくれている少年。 そのような姿を見て、心踊らぬと言えば嘘になる。例えそれが戦いの為の道具であろうとも。 「ミスタ・コルベール!このフネはどうしてマストも無しに浮いているのですか!?」 コルベールの内心に渦巻く葛藤も知らずはしゃぐギーシュ。彼を見ているうちにコルベール自身の心も少し軽くなった気がした。 コルベールが教え子に説明を始めようと口を開きかけた時、それまでウェザーライトⅡの甲板にあって感じなかったもの、慣性が復活した。 よろける各々、先ほどまで感じなかった速度は今や体で感じ取ることができる。 「この船は、ある種のマジックアイテムなのです。 従来通り風石を使って浮くだけでなく、船に組み込まれた各種マジックアイテムの作用によって、これまでハルケギニアにあったどのようなフネとも違う、新しい形の船として生み出されたのです。 船の構造を守る為に複数の場所に設置された、周囲の船体に『固定化』の魔法をかける装置。 風石の力を最大限効率的に運用する為に設けられた二基の風石炉。 船を動かす魔法の力を、各所に送り込む心臓の役割を果たす動力部。 唱えた呪文そのものを強化拡大する増幅装置。 そして、この船最大の特徴でもある、エルフ達が使う先住の魔法『反射』を応用した理論を用いた、特殊な飛行機構が装備されているのです」 コルベールの説明を最後まで聞いていたギーシュの顔が引きつる。 「え、エルフって、あのエルフですか?」 「ああ…多分君が思っている、そのエルフだよ」 「エルフの魔法だなんて、危険じゃないんですか…」 ギーシュは自分が立っている足元を、気味悪そうに見下ろした。 自分は何かとても恐ろしい怪物の上に乗っているのではないか、そのような思いに駆られたのである。 教え子のそんな様子を眺めながら、悲痛な色を宿した声で、コルベールが語る。 「魔法は…魔法は様々な使い方ができる。 その可能性を狭めてしまうことは、わたしはとても寂しいことだと思う。 火が司るものは破壊だけではない、火には本当はもっと様々な可能性が秘められているはずなのだ。 エルフの魔法もそうだ。先ほど、我々を救ってくれたのは確かにエルフの魔法の力だ。君の恐れるエルフの力だ。 力とは、使い方次第で様々な側面を私達に見せてくれる、この船もその一つの形だと思う。 いつか我々は一つ一つの思い込みを排除していければいいと思う。 そうしたら、きっとその先には皆が豊かに笑える世界があると、私はそう思うのだ」 スランエンジンへと供給する魔力量を抑え、風石と飛翔機構によるハイブリット飛行に切り替える。 先ほどまで『反射』の盾を作り出していたアーティファクト『力場発生器』別名フォースフィールド発生装置への魔力供給も最低レベルにまで低下させる。 発生させる力場も、大きく魔力を消費する『反射』から消費の少ない『固定化』へと切り替える。 今や遠く背後に見えるだけとなった八隻の敵戦艦が、ウェザーライトⅡに追いつくまでには暫くの時間的余裕があるだろう。 ウルザはこのわずかな時間に、初飛行となるウェザーライトⅡに想定外の出来事か起きていないかを確認するつもりでいた。 しかし、懐から色眼鏡を取り出してかけ直し、船尾に向かって一歩を踏み出そうとしたところで、体のバランスを崩して膝をつく。 屈強なるプレインズウォーカー、両の瞳にスラン文明の遺産であるパワーストーンを宿すウルザ。 その彼をもってしても、ファイレクシアの闘技場で負った傷が完全に癒えぬ身で、飛翔艦一つを浮かして艦全体のコントロールを行うほどの魔力を放出するには無理があった。 ウルザの体中の神経を、パワーストーンからの負荷が焼く。 「ミスタ・ウルザ!大丈夫!?」 体中から白い煙を上げて膝立ちしているウルザ、そんな彼の異常に気付いたルイズが後ろから駆け寄った。 彼女の横にはタバサ、こちらはいつもどおりの表情でルイズについてまわっている。 「ちょっと、何よこれ。何でこんなに傷だらけなのよ! それにたくさん血も出てるわ、早く治癒をかけなきゃ…」 ウルザの体はまさに満身創痍であった。 ローブから露出した肌には至るところに内出血や火傷の痕が見て取れる。 試験飛行前の未調整なスランエンジン。それをいきなり全力で稼動させたのである、強大な反作用を受けて当然であった。 慌てて左右から肩を貸すルイズとタバサ。 身長差があり過ぎて、まるでちぐはぐであった。 「………やっぱりおかしいわね」 「無理」 ルイズは肩を貸すことを諦めると、大声で離れた場所で話し込んでいるコルベール達に呼びかけた。 「ミスタ・コルベール!肩を貸してください!ミスタ・ウルザが大変なんです! あとモンモランシーは治癒の呪文をお願い!」 その声に気付いたコルベールとギーシュ、それにオスマン、モンモランシーが駆け寄ってきた。 最後に一人残されたフーケも不承不承といった様子でついてくる。 「やや!ミスタ・ウルザ、これはどうしたことですか!?」 改めて、長身のコルベールとオスマンがウルザに肩を貸す。 「もうあまり時間が無い、早く船尾のブリッジへ…」 そう言いながら歩き出すウルザ、治癒呪文をかけようとしていたモンモランシーが文句の声をあげるがこれは無視された。 「年寄りのよしみで言うが、その傷で無理をするのは関心できんのぅ」 「そうです、まずは医務室で安静にすべきです」 二人の言葉にかぶりを振るウルザ。 「まだ敵は残っている、ここで叩かねばやがてこの船が危険に晒されることとなる。それはなんとしても避けねばならない」 ウルザの決意が固いことを読み取った二人は、それ以上口を挟むことをやめた。 ウルザ達は甲板から艦橋へと足を踏み入れた。 ウェザーライトⅡの艦橋はかなり広く作られており、広さは十メイル四方ほどもあろうか。 前方には大きく透明のガラスのようなものが嵌め込まれており、流れる雲を目にすることができた。このことから室内という圧迫感が驚くほどに少ない。 中央には床に埋まる形で球体が据えつけられており、その正面には艦長が座ると思われる椅子があった。 球体前には距離を離して左右正面に三つの席と、見たことも無い箱状のなにかが設置されている。 正面の椅子の前には丸い操舵環が設置されており、そこが操舵席というのは想像できたが、それ以外の役割はルイズ達には分からなかった。 ウルザが艦橋中央にある球体の横に立つ。 モンモランシーの治療によって立つことに支障は無くなった様子である。 しかし、それでも首筋などに見える内出血の痕は痛々しく残されている。 その片手には杖、色眼鏡は既に外して懐に仕舞われていた。 「諸君、各々手近な椅子に座ってもらえるかな、これから少々…揺れるものでね」 刃物のように鋭い目つきで言い放つウルザ。 言うや否や彼は両手で杖を掴み、それを勢いをつけて球体に突き立てた。 再び始まる魔力の放出。 今度は目から迸るのではなく、杖を通して流し込まれるようにして放出されるパワーストーンの魔力。 ルイズ達の前に、先ほどとは違う変化が訪れる。 「きゃっ!?何、何なの、一体何が起こったの!?」 モンモランシーの席の前にあった球体が輝き、その中には半透明のウェザーライトⅡの模型が現れた。 艦橋の中には次々に新たな変化が起こっていった。 あるものは輝き、あるものはせり出し、あるものは勝手に動き出す。 まるでそれは深い眠りについていた巨人が、ゆっくりと目を覚ましていくような光景であった。 一通りの変化を終えた艦橋内を、先ほども感じた不思議な浮遊感が襲った。 『反射』である。 重力の鎖と、慣性の鎖を緩められたウェザーライトⅡは、再び自由なる飛翔を開始する。 「それでは、このウェザーライトⅡの力をご覧に入れよう」 明るく地上を照らし出していた月が、尋常ならざる速度で動いた。 それだけではない、窓から見ることのできる何もかもが高速で動いたのだ。 いや、それは移動しているのではない。正しくは、動いていたのは自分達の方であった。 ウェザーライトⅡが急速な旋回を終え、一瞬の後に視界が固定された時、月に照らし出された八隻の敵戦艦が正面に見えた。 もしも、アルビオンから送り込まれたこの十隻の戦艦に生きた船乗りが乗っていたのなら、この後に起こる出来事に目を剥いたに違いなかった。 ウェザーライトⅡはその巨体に似合わぬ俊敏さを発揮し、恐るべき速度でアルビオン艦隊との距離を詰める。 その船首の先には輝く障壁。 先刻の焼き直し、ウェザーライトⅡの必殺の突撃が敢行される。 しかし、それも二度目、先ほどの轍を踏まぬようにとアルビオン艦は横一列に並んでいる。 更には船側に装備された砲をお見舞いしようと、一斉に船首を回頭させようとしていた。 だが遅い。 各艦が回頭を済ませる直前にウェザーライトⅡは攻撃圏内、つまりゼロ距離へと己が身を到達させた。 狙いは中央、最も大きな一隻。 その全長はウェザーライトとほぼ同じという大型艦。 巨大な質量同士の衝突。大型艦の防御が紙のように突き破られ、光壁に触れたものは圧倒的暴力によって粉砕される。 猛烈なる破砕音。 『反射』により本来ウェザーライト号に分割されるはずだった衝突エネルギーが向きを変え、敵戦艦に一方的に送り込まれる。 まず、一隻が沈んだ。 ウェザーライトⅡの一撃により指揮艦を失ったアルビオン艦隊。 けれど彼らは慌てない、騒がない、驚かない。 冷静なる狩人の目を持って己が敵に狙いを定める。 狙いとは、列を貫いて背後に出ようとするその背中である。 彼らは初めから来襲するウェザーライトを迎え撃つつもりなどは無かったのだ。 本当の狙い、それは背面へ抜けようとするその一瞬の隙だったのである。 冷静な分析、見事な連携、味方艦が撃沈されたというのに、彼らの動きは実に的確であった。 たった一つ、彼らに落ち度があったとすれば、それはウェザーライトⅡを常識によって捉えていたことだけであろう。 敵指揮艦を貫いたウェザーライトⅡ、それが敵を刺し貫いた位置にて静止する。 そう、静止したである。 慣性を無視した空中機動を可能としたウェザーライトⅡ、それは正に非常識の船なのであった。 ウェザーライトが時計回り船首を廻す。 力場が刃のように伸び、その通り道に位置した一隻の艦首が切り裂かれる。その傷の深さは二十メイル、致命傷。 残光の軌跡を残して船が舞う。 船首を回頭させること二百七十度、前方には船尾を覗かせる敵艦一隻。 敵を認めたウェザーライトが瞬時に最大船速にまで加速し、音速の壁を突破する。 背後からの一撃を受けて粉砕される、一隻、二隻、三隻のフネ。 一度の突撃で、三隻まとめて串刺しにするウェザーライトⅡ。 これで葬った敵艦は五隻、この間要した時間わずかは三呼吸。 出鱈目と形容することこそ相応しい船ウェザーライトⅡ。 それが散開しようとする三隻の敵艦を沈めたのは、二秒後のことであった。 ウェザーライトⅡは速い、ウェザーライトⅡは重い ―――ウルザ 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
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「この鍵で開く筈だ。」 牢の合鍵で扉を開けた。 「やった!」 「出られるなんて、信じられない。」 捕らわれていた女性の中には、歓喜に震え、ある者は涙さえ流した。 「やはり、エスタークを救う事が出来たのだな。」 「いやあ、運が良かったんだ。」 ダイはそう言いながらも頬を赤らめた。 「私達は村に帰るが、そなたも来てくれないか?」 ダイは快く頷いた。 こうして、全員で村へ帰った。 「ダイ、俺は村に入る訳にはいかない。村の女性を監禁してきた罪は許されるものではない。」 そう言って、エスタークは村に入ることを拒んだ。 「俺はお前に話したいことがある、村の前で待っている。 ダイはエスタークの気持ちを汲み取り、村に引き入れなかった。 村に入るとレイラと長老が出迎えた。 「なんと、全員ではないが、女達が生きておったか!!」 長老は帰って来た女達にひたすら謝り続けた。 謝っても許される問題ではないことも分かっていたが、それでも長老はそうせずにはいられなかった。 「本当にエスタークに勝ったなんて、信じられない。」 レイラは安堵し、喜んだ。 「長老さん、俺、そろそろ行かなきゃいけないんだ。」 その言葉にレイラが反対した。 「嫌よ!!ダイは私の命の恩人なのに、こんなに早く別れなきゃいけないなんて・・・」 「レイラ、ごめん、でも俺は地上に戻らないといけないんだ。」 ダイの言葉も今のレイラには聞こえなかった。 レイラは知らないうちにダイに恋心を抱いていたのだ。 「ダイ君には帰るべき場所があるのだ、ここに残ることは許されない。 それに今生の別れという訳でもあるまい、またいつかどこかで会うことも出来るじゃろう。」 レイラは涙ながらに無言で頷いた。 「それじゃ、さようなら!!」 ダイは村を出発した。 「ダイーー!!必ず、またこの村に来てねーー!!」 レイラの声にダイは頷き、走り去った。 「レオナ姫を連れてまいりました。」 カンクロウはヴェルザーの前に立ち、その場で敬礼した。 「御苦労だった。そろそろ我愛羅もオレの体を持ち帰って来る頃だろう。」 ヴェルザーはやたら上機嫌にカンクロウに話した。 「あんたがヴェルザーね、何故私をこんなところに連れてきたの?」 「オレはお前を連れてこいという命令はしていない、全てカンクロウの独断だ。」 レオナは部下の好きに行動させるヴェルザーの感性がとても信じられなかった。 「カンクロウが貴様を捕えるという機転を利かせてくれたおかげで地上の制圧は捗るだろう。」 「だったら、私を殺した方が良かったんじゃないの?」 「人質があるからこそ地上の制圧は上手くいくのだ、貴様もオレの道具としてこれから生きていけ、ハハハハハハ。」 ヴェルザーの部下たちによりレオナの身ぐるみは剥がされ、口に布を噛ませて自害をさせないようにした。 もはや死ぬことさえ出来なくなったレオナはただ祈ることしか出来なかった。 『助けて、ダイ君。』 アーリーの村を出たダイは村の前に立っていたエスタークに声を掛けられた。 「俺も連れて行ってくれないか?」 「いいけど、どうして?」 「俺は八千年前にエビルプリーストに進化の秘法を俺に使用した時点で俺は死んだ筈だった。」 「どうして進化の秘法を使われたの?」 ダイの質問にエスタークは絶望した表情を浮かべながら話した。 俺の両親を殺したダークドレアム、奴に二度戦いを挑んでも、一瞬で惨敗した。 俺は三度目に奴を自分の体内に封印することで勝利したと思っていた。 だが、俺のような魔族に封印しきることは無理だった。 そんな中エビルプリーストが進化の秘法を使えば完全に封印することができると話したんだ。」 「けど、エビルプリーストとダークドレアムは繋がっていたよ。」 ダイの言葉にエスタークは頷いた。 「ああ、ダークドレアムが俺の体内に自ら飛び込むように入っていったのもその為だろう。 そして、俺は理性を失った怪物になり下がった。 その俺を救ってくれたのがお前だ。どうしてもこの恩を返したい。」 「話したい事ってそれだったんだね、俺としても仲間が増えるのは嬉しいし、 是非仲間になってくれよ。」 ダイはエスタークの申し出に承諾した。 その時突然二人の前に物体が落ちてきた。 「これは、俺の剣!!」 地面に強く刺さったダイの剣をダイは抜いた。 「それが、お前の剣か?」 ダイは嬉しそうに頷いた。 真魔剛竜剣がなくなった今、ダイにとってはこれ以上ない武器が主の元に戻ってきたのだ。 「俺と戦った時の剣よりも強い力を感じる、その剣を造った者は相当の腕の持ち主だな。」 エスタークは瞬時にダイの剣の力を知った。 アーリーの長老の家に捕らわれていた女性が来ていた。 「長老、かつて私は一人の騎士によって魔界に変革が訪れると予言した事を覚えていますか。」 「もちろん、覚えているとも、それがどうしたのかね?」 「私はあの少年こそがその騎士の様に思えるのです。 何千年経っても変わらないこの魔界に新しい歴史を創ると私は確信しています。 「まさか、気のせいじゃろう。」 しかし、この予言が現実の物となるのは目と鼻の先である。 後年の人々はこれから始まる天地魔界を激突させた戦争においてその戦争を収めた最後の竜の騎士をこう呼んでいる。 三界の救世主と。
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前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 「おう、エリス。ただいま」 「あ、お帰りなさい……な、なんですかこれ?」 慌てて姿勢を正してお辞儀をしたあと、エリスは部屋の真ん中に置かれた衣装箱の山を見て眼を丸くした。 「服よ。買ってあげるって言ってた奴」 「え? あ、ありがとうざいます……えっ?」 至極当たり前と言った風に告げたルイズにエリスは反射的に礼を言い、そして眉を潜めた。 それはそうだろう、せいぜいがバッグ一抱えといった所が関の山な一般人のエリスでは、文字通りで山のような衣装箱など想定できるはずもない。 ……もっとも、その値段を聞いたら驚くどころか卒倒するかもしれないが。 「ところで、何かあったのか? 随分焦ってるみたいな感じだったけど」 「……あ! 先輩、これ……っ」 柊に言われて思い出したのか、エリスは慌てて持っていた紙――コルベールが描いた『破壊の杖』の絵を柊に差し出した。 それを手渡された柊は軽くそれを観察し、あっさりと答える。 「なんだ、箒じゃねえか。エリス、お前絵が上手いんだな」 「箒?」 ルイズが柊の手から紙を奪い取ってそれを見やり、首を傾げる。 「……これのどこが箒なの?」 「いや、掃除に使う箒じゃなくってな。ガンナーズブルームっつって……俺等の世界で使ってるマジック・アイテムみたいなもんだ」 「またその手の代物……?」 胡散臭げに眉をしかめるルイズを他所に、柊はエリスに目を向けて少し困ったように告げた。 「エリス、あんまこういうのを描くってのは――」 「ち、違います! それ、私が描いたんじゃないんです!」 「……は?」 そしてエリスは事情を二人に話し始めた。 勉強中にコルベールに会って追求から逃れられず、異世界のことを話してしまったこと。 宝物庫に納められているという『破壊の杖』のこと。 そしてコルベールが描いた『破壊の杖』の絵が、柊達の見ているものであること。 聞くに従って柊の表情が真剣になり、そして思案顔に変わっていく。 エリスが異世界に関して話してしまった点については、一度渋い顔をして見せたが特に咎めることはなかった。 何しろ柊自身、彼のような類の人間に追及されたら誤魔化しきれないのがわかっていたから逃げていたクチなのである。 むしろ目的であるファー・ジ・アースへの手がかりが降ってきたので瓢箪から独楽というべきかもしれない。 とはいえ、仮に『破壊の杖』が本当に箒――ガンナーズブルームだったとしてもそれ自体は重要ではなかった。 柊達がこのハルケギニアにいる以上、ゲートなり何なりでファー・ジ・アースと繋がる事は確かなのだ。 それ以前に人なり物なりが辿り着いていてもおかしな話ではない。 重要なのはそれが単体できたのか、それとも持ち主ごと来たのか。そして後者ならばその持ち主は今何処にいるのか……である。 「あの爺さんに話を聞いてみるか……」 「それなんですけど、コルベール先生やロングビル先生が学院長に話を通してくれてるそうです。戻ったら伝えて欲しいって」 「マジか! すげえな、何か道が開けてきたぞ……!」 「それじゃ私、先生達に言ってきますね」 「頼む。ありがとな、エリス」 柊が喜色を称えて言うと、エリスは嬉しそうに微笑んでからぺこりと頭を下げて部屋から出て行った。 膨らんできた期待感で平手を撃つ一方で、脇で話を聞いていたルイズの表情はどこか暗かった。 「……どうかしたのか?」 「……。なんでもない……」 怪訝そうに窺う柊に、ルイズは呟くように小さく答えた。 ※ ※ ※ 学院長室を訪れた柊達三人を待ち受けていたのは、部屋の主たる学院長――オールド・オスマンの仏頂面だった。 彼は柊達がロングビルに先導されて入室したのを見届けると、脇に立っているコルベールを一瞥して苦々しく口を開いた。 「研究熱心なのは構わんが、いささか口が軽くなるのが玉に瑕じゃのう」 「それは返す言葉もありませんが……しかし彼等が異境の地に迷い込んでいるのは事実なのです。帰る手助けをするのは人として当然でしょう」 「キミは『破壊の杖』やら異世界やらの話を聞きたいだけじゃろ?」 オスマンが言うとコルベールはうっと言葉を詰まらせ、愛想笑いをしながら視線を反らしてしまった。 改めてオスマンは柊達に視線を送ると、溜息混じりに口を開く。 「やはりと言うべきか何というか、君達も異世界とやらの人間だったんじゃのう」 「……知ってたのか?」 「グラモンの馬鹿息子との決闘であたりはつけておった。後の行動も大方『彼』と同じだったしの」 オスマンの声に柊の眉がわずかに揺れる。 柊は一歩前に進み出ると、コルベールが描いた『破壊の杖』の絵を示しながら言った。 「とりあえず、これが本当に俺達の世界のものか確認させてくれねえか」 「致し方あるまいな」 柊の言葉を受けてオスマンは立ち上がり、柊達を先導して宝物庫へと案内した。 錠を開け、扉を開いてから彼は振り返り柊とエリス、ルイズ、そして付いてきたコルベールとロングビルを順繰りに見やる。 「柊くんとエリスくん、それと……主人たるミス・ヴァリエールは聞いておくべきじゃろうな。残りはここで見張っておくよう」 「そんな殺生な!」 一緒に話を聞けると思っていたコルベールが悲鳴を上げるが、それには構わずオスマンは柊達を宝物庫へと招き入れて扉を閉めた。 念のために懐から杖を取り出して扉にロックをかける。 雑多に納められた数々のお宝を物珍しそうに眺める三人を促し、彼は数多の杖が飾られている一角へと案内した。 名前の彫られたプレートを見るまでもなく、目的のものはすぐに見つかった。 ソレは他のどんな杖よりも大きく、飾られている場所を占有していたからだ。 壁に立てかけられて固定されている『破壊の杖』を見てルイズは純粋に驚きを露にした。 エリスと柊も別種ではあったがやはり驚きを覚え、そして妙な懐かしさを感じてしまった。 なにしろ異世界で自分達の世界のモノを見ることになるとは思わなかったのだ。 「どうかね?」 後ろから届く確認の声に、柊は大きく頷いてから手を伸ばした。 「間違いねえ。これはファー・ジ・アースの箒――『ガンナーズブルーム』だ」 箒(ブルーム)と通称される、ウィザード達が世界を侵す侵魔に対抗するために作り上げた個人兵装。 緋室 灯が使用しているモノとは少々ディテールが異なるが、基本的な構造は間違いなく箒のそれだ。 少々古ぼけているので少し前の世代のものなのかもしれない。 柊が軽く表面をなぞると、埃の取れた地金に刻印が見えた。 擦り切れかけた黒塗りの斧のペイント、その刃をなぞるように刻まれた文字は[Kill em All !!]。 対侵魔組織の巨大派閥である『絶滅社』のロゴである。 「コレを使ってた奴はどうしたんだ? さっき学院長室で『彼』って言ってたよな」 オスマンを振り返って柊が尋ねると、彼は懐かしむように虚空を眺めながらそれに答える。 「そうさの、もう三十年ほど前になるか……ここから山を一つ越えた辺りの森に散策に出ておったら、ワイバーンに出くわしたんじゃ。 明らかに生息域からは離れておったが、運が悪かったんじゃろうの。 ……元より幻獣種と単身でやりあうなど分が悪すぎるが、ソイツはとにかく凶暴で手が負えんかった。 精神力も尽き果ててもうダメかと思った時――『彼』が武器も持たずにふらりと現れおった」 「……じゃあ、学院長はその方に助けられたんですか?」 エリスが呟いた言葉に、オスマンは何故か黙り込んでしまった。 首を捻る一同を他所に彼は僅かに顔を俯かせ、肩をわなわなと震わせながら、低い声で言った。 「……いや。殺されかけた」 「はあっ!?」 その男は虚空から『破壊の杖』を取り出すと、柊が決闘の際に放ったのと似たような光(おそらくプラーナだろう)を纏わせて杖を振るい、ワイバーンを木っ端微塵に吹き飛ばした。 そして彼はそれを喜ぶでもなく、呆気に取られるしかできないオスマンを振り返り――まるで人形のような顔つきで『破壊の杖』をオスマンに突きつけたのだ。 「ワイバーンを一撃で粉砕する超ド級の危険物を人様に向けてきおったのじゃぞ!? しかもフォートレスだのエミュレイターだの訳のわからんことを言いおってからに!! いたいけなジジイに対して何たる仕打ち! こいつはメチャ許せんよなぁ!!」 「落ち着け爺さん!?」 「落ち着いてください!?」 ガクガクと激しくヘッドバンギングしながら叫ぶオスマンに思わず突っ込みながらも、柊はなんとなく状況を理解した。 おそらくその彼はハルケギニアを侵魔の張った異空間――月匣(フォートレス)だと思ったのだろう。 既に異世界に関して知識と耐性があったヒイラギならばともかく、普通のウィザードならいきなりこんなファンタジー世界に放り出されればそれを想定するはずだ。 もしこれが緋室 灯だったならまず間違いなく威嚇としてガンナーズブルームをぶっ放す所までいったはずだ。 そういった意味ではオスマンは幸運だった。 「お、おぉ……ふぅ。大丈夫じゃ、わしはクールじゃよ……」 どうにか平静を取り戻したオスマンは改めて話を再開した。 その後何とか状況を理解してもらって和解はしたらしい。 しかし彼は激しい戦闘を行っていたのか、酷い怪我を負っていた。 一応命を救われた事になるのでオスマンはその男を学園に連れ帰り治療する事にしたのである。 怪我は大きかったものの幸いにして命は取り留めた。 しかし事情を聞いても彼は頑として自らの事を話さなかった。 オスマンが聞き出せたのはかろうじて彼が『ハルケギニアではない場所』から来たという事だけだった。 そして彼は傷が快復すると、柊達と同じように文字を学びながら元の場所に戻る方法を探し始めたという。 「……で、そいつは今どうしてんだ? まさか戻る方法を見つけて帰ったのか?」 ようやく目的の話題になってきて柊はオスマンに詰め寄った。 しかし彼は悲しそうに首を左右に振ると、 「亡くなった。一ヶ月程後の事じゃ」 「……何かあったのか?」 「何もなかった。彼は図書室に篭って調査し通しとったんで、何も起こりようがない。一週間ほどが経って、彼は唐突に倒れたのじゃ」 原因はまったくわからなかった。 出会った時に負っていた傷は総て治療したし、毒の類に冒されているという事もなかった。 しかし彼は一向に快調の兆しを見せずどんどん衰弱していき……そのまま息を引き取ったという。 結局彼は、オスマンに詳しいことを何も語らずに逝ってしまった。 「高名な水メイジに診せたところ、何やら身体の水の流れが人間とは思えないほど異常じゃったと言っておったが……」 「……!?」 それまで沈黙を保っていたルイズの顔色が変わった。 彼女は柊を押しのけてオスマンに詰め寄ると、酷く切羽詰った様子で訴える。 「オールド・オスマン! それって、病気か何かだったんですか!?」 「わからんよ。さっぱりお手上げじゃ……彼は自分で持っとった薬を飲んでおったがわし等には渡してくれなんだし、結局効かなかったようじゃがの」 「薬……!?」 ルイズは呻くように言うと、次いで柊を振り返った。 そして今度は柊に向かって言う。 「柊、何か知らないの!? あんたの世界の人間だったんでしょ!?」 今まで見たこともない、張り詰めた表情のルイズを見てエリスは困惑しながら柊に眼を向けた。 彼は顎に手を当ててしばし思案すると、オスマンに向かって尋ねる。 「あんたが会ったそのウィザード……なんつうかこう人形みたいな感じじゃなかったか? 表情が読めないっていうかそもそも感情がないっていうか」 「む……その通りじゃ。何を言ってもほとんど表情を見せぬし、最初顔を見たときはガーゴイルかと思ったぐらいじゃ」 言い当てられて驚きを見せたオスマンから目を離し、柊はガンナーズブルームを見やる。 「……絶滅社の強化人間か人造人間だな。多分調整ができなくなったから……」 侵魔に抗するために人為的な投薬と強化処理を施したウィザード――それが強化人間や人造人間である。 強化人間である緋室 灯に代表されるように、彼女等は通常のそれに比して高い戦闘能力を得られる一方で、 感情や形成人格の欠損・日常に対する適正の欠如・過剰強化による精神肉体への悪影響などといった副作用も抱えてしまう。 これらを緩和するために必要なのが『製造元』で行う調整作業だ。 この作業は強化度合いによって頻度も異なる。 緋室 灯は月に何度か絶滅社で調整をしているし、酷い例では調整を行ってなお『耐用年数』が二十年に満たない個体も存在するという。 現在のファー・ジ・アースでさえそうなのだから、三十年前ではより調整作業は必須のものだっただろう。 当然の事ながら、異世界では調整などできようはずもなかった。 「調整? その調整っていうのをすれば、病気が治るの?」 「根治はできねえかもしれねえけど……調整を受けてる限りなら、まあ魔王とドンパチやらかすぐらいには元気だな」 「そう……ファー・ジ・アースにはそんなのがあるの……」 「……ルイズさん?」 エリスは先程からどうにも様子がおかしいルイズを心配そうに覗き込んだが、彼女は逃げるようにエリスから顔を逸らすと引き下がってだんまりを決め込んでしまった。 柊とエリスと互いに顔を見合わせて首を捻るが、思い当たる事がある訳もない。 「……まあともかく。わしの知っておる『破壊の杖』にまつわる由来はこれくらいじゃな」 「あ、あぁ、すまねえ。参考になった……」 参考にはなったが、手がかりは結局何一つ得られなかった。 やはり地道に探すしかないということなのだろう。 「ありがとうございます、学院長」 折り目正しく頭を垂れるエリスにオスマンは一つ頷くと、ふと思い出したように『破壊の杖』に歩み寄った。 「一つ聞いておきたいことがあるんじゃが、よいかね?」 「俺にわかる事なら……」 「この『破壊の杖』は、まだ"使える"のかね?」 「……」 持ち主のウィザードが亡くなった後に状態保全の魔法である『固定化』を施したが、何をどうやっても彼が使っていた時のような力は発揮されなかったらしい。 柊は許可を得てガンナーズブルームを抱え上げると、軽く状態を確認する。 そして囁くように二言三言何かを呟くと、首を左右に振った。 「ダメだな、使えねえ……少なくともこの世界の人間には無理だし、俺とエリスにも無理だ」 躯体内部に施されている圧縮弾倉――月衣の技術を応用して空間を圧縮し、その中に弾頭を収めている――にはまだ十分に弾が残ってはいた。 だが、弾倉から弾を取り出すためにはロックを解除するキーコードが必要になるのだ。 知っているコードをいくつか試してみたが、弾倉が開放されることはなかった。 大抵は規格ごとに統一されているが三十年前ならコード自体違う可能性は高いし、個人で設定していたら事実上本人以外には扱えない。 ガンナーズブルームの機構に詳しい人間ならともかく、その分野に詳しくない柊ではコレを使うことは出来ない。 ――もっとも『武器』としての機能が使えないだけで、『箒』が『箒』と呼称される所以といわれている機能については問題ないようだが。 ガンナーズブルームを元の場所に戻しながら答えた柊を見ながら、オスマンはふむと顎に手を添えた。 しばし何やら考えるような素振りを見せると、彼は柊に向かって口を開く。 「なら、この『破壊の杖』はキミに預けよう」 「え!? これってここのお宝みたいなモンだろ!? いいのかよ!」 「構わんよ。元々わしの私物のようなものじゃし、あのような危険な力が不埒者に使われるのを防ぐためにここに収めたんじゃからな。 使えぬというなら、これはもうわしの恩人の形見でしかない」 言いながらオスマンは『破壊の杖』に手を添え、昔を懐かしむように眼を細めて言葉を続けた。 「それに、彼も生前はキミと同じように元の世界とやらに帰ろうとしておったが、結局それは叶わなんだ。 ならばせめて、これだけでも故郷に帰してやってくれんか」 「……。わかった」 老人の言葉に柊は静かに頷くと、ガンナーズブルームを手に取った。 それはウィザードとして鍛えた柊であってもそれなりに取り回すのに慣れがいるほどに重量がある。 だが、この重みは単にモノ自体の重さだけではないような気がした。 「少々かさばるが、君なら大丈夫じゃろう?」 「ああ、大丈夫だ。ちゃんと元の世界に返すからよ」 「他にもいくつか彼の遺品があるが……それはどうするね? 結構な大きさの水晶なんじゃがのう」 「……。いや、それはいいよ」 言いながら柊はガンナーズブルームを月衣の中に収納した。 オスマンの言っているそれはおそらく特殊弾頭――魔力水晶弾だろう。ガンナーズブルーム使いなら持っていてもおかしくはない。 通常弾が使えなくともそれがあれば射撃武器としての運用は可能だ。 ……が、柊はそれを貰おうという気はまったく起きなかった。 もとより柊の専門は剣であって射撃武器は好みではないし、何よりそれではオスマンに伝えた言葉も渡してもらった意図にも悖ってしまう。 オスマンは像が揺らいで虚空に消えていくそれを名残惜しそうに見届けた後、三人を眺めやって告げる。 「この事はくれぐれも内密にの。ミス・ロングビルは規則や何やと喧しかろうし、コルベールに至っては言わずもがなじゃからの」 「……わかりました」 「けどよ、いくらなんでもあんなのがなくなったらすぐにバレるんじゃねえの?」 「何、近いうちに模造品でも作って飾っておくわ。どうせ誰にも使えんのじゃから、それで十分じゃろ」 闊達と笑いながら言ってのけるオスマンに三人は顔を見合わせると、呆れたように溜息をついた。 ともかく、これ以上ここで得られそうな情報はありそうにない。 三人はオスマンに促され宝物庫を後にした。 部屋を出る間際、ふと思い出したように柊はオスマンに向かって言った。 「……今度時間がある時でいいから、その人の墓とかに案内してくれねえかな。ちゃんと挨拶しときてえから」 「……お安い御用じゃ」 照れくさそうに言う柊をまじまじと見やった後、オスマンは破顔して彼の肩を叩いた。 前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い
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autolink ZM/W03-078 カード名:ルイズ&エレオノール カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《虚無》? 【永】相手のターン中、このカードのパワーを+1000。 ルイズ「…エレオノール姉さまはどうして私に意地悪ばかりするのかしら」 レアリティ:R illust.ヤマグチノボル・メディアファクトリー/ゼロの使い魔製作委員会 相手ターン中にパンプされる、鷺澤 美咲等の黄色カードとは全く逆の性能を持っている。 眞子&萌も同じような能力を持っているが、あちらがパンプされてもバニラに倒されるのに対し、こちらはバニラ相手に耐えられるようになる。 後続でイリヤも同じ能力で出てきたが共にレアリティはRと高い。 0/0キャラではそうそう倒せないほど防御性能には優れているのでコストを貯めたいという時には結構便利。 「ルイズ」の名前が入っているので姉さまの支援も受ければ【ミハネム】のレベル0コンボにすら倒されない。 しかしながら、キャラが0レベルであるためにサイドアタックをすれば問題なくダメージが通ってしまう上、こちらのターンにはバニラに届かないと何とも微妙な状況になりやすく、道連れ効果には全く持って無力なので相手によっては何ともいえない微妙なキャラとなってしまうこともある。 ちなみにイラストは“ちい姉さま”カトレア と繋がる。 ・関連ページ 「ルイズ」? 「&」? 「レオ」?